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ローマ末期と似てきた中国の悪徳と美食

 世界の頂点に立ったローマ人は、全世界からあらゆる珍味を集めた。そしてローマ人は「食べるために吐き、吐くために食べた」というセネカの非難は、単に贅沢を戒めたものではなかった。全世界からかき集めた富を、無意味に蕩尽している悪徳に対する文明批判だった。

 ローマの悪徳は食欲だけにとどまらず、低俗な性欲も同時進行していった。支配階級の有夫の女性が密やかな密通をむさぼり、貞操を金にかえるまでになっていった。彼女たちこそは、文明の爛熟の園で咲いた「毒の花」だった。

 今の中国も、かつのローマに似てきた。私は中越国境で、ベトナムから中国の広州に向かって山越えしていく多くのセザンコウやフクロウを見た。「親以外はすべて食べつくす」中華の食文化は渦潮の核になって、貧しい周辺諸国から珍味が流れ込んでいった。

 そして精神文化のレベル低下は目に余り、腐敗による、内部からの崩壊が回復不能なまでに蝕まれている。精神的支柱を建て直すことなく、銭に向かって突進してしまった拝金主義は、銭ゲバだけを繁殖していった。彼らは向前看( 前に向かって進め)ではなく、金だけに前のめりになった「向銭看」の守銭奴の群れでしかない。

 役人の汚職や権力乱用は序の口。検挙された汚職官吏の95%は情婦を囲っており、各政府指導層の6割は2号(アールナイ)と関係していたというデータすらある。

 昆明の役人が宴席の場で、自慢げに「妻といたすは義務 寡婦といたすは奉仕 情婦といたすは悦楽」と語ったのを聞いたことがある。

 男人有銭、就変壊(男は金持ちになると、すぐ悪くなり)

 女人変壊、就有銭(女は悪くなると、すぐ金持ちになる)

 中国での売春場所はキャバレー、バー、サウナなどが主流だが、美容院や散髪屋、按摩院、足浴などもその巣窟になっている。

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