温暖化現象が急増させている土砂災害
20年前に比べ1・6倍に
土石流や地すべり、がけ崩れといった土砂災害の発生件数が近年、急増している。
年ごとにばらつきがある土砂災害の傾向を見るために、10年ごとの平均回数を出してみた。平成4年までの10年間は736件。その後の14年までは944件。最近の平成24年までは1799件と20年前に比べて1・6倍に増えている。
国土交通省が最近の死者と行方不明者が出た深刻な土砂災害を分析したところ、およそ40%が火山性地質の所で発生していた。
国全体に占める火山性地質の割合は28%だから、随分多くなっている。
火山性地質で土砂災害が発生しやすくなる構造はこうだ。火山から出た溶岩とか火山灰でできた地質というのは、一般にもろくて崩れやすい。最近はさらにその崩れ方が大きくなって、威力が増幅している傾向にあるという。
昨年、大規模な土砂災害が起きた伊豆大島には活火山がある。おととしの九州の豪雨では、阿蘇山周辺で大規模な土砂災害が相次いだ。
理由はかつてなかった猛烈な雨が降るようになったことだ。
雨の量が増えると、崩れる土砂の量も増える。そのため岩盤までの土砂が一気に崩れることが多くなった。