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強欲中国人が嘘で固めた上場企業乗っ取り詐欺疑惑(下)

成長市場で「ぼったくりバー」商法

 これまでの本誌2号(上、中)で記述した「事件」の後、非常勤監査役片岡敬三、非常勤取締役(独立取締役)本荘修二、取締役CFO山本融、創業者谷本肇が相次いで辞任した。うち、片岡敬三の辞任理由は「監査役の職務を全うすることができない」、谷本肇の辞任理由は「コーポレートガバナンス・コンプライアンス、経営体制、業務執行体制について改善に努力したが実現できなかったため」となっている。一般に「一身上の都合」しか書かれない辞任理由に、このようなコメントがつく事も異常である。谷本氏の辞任届は、5ページに渡ってR氏、G氏の法令違反、コンプラ違反及び組織の問題点が詳細に記述される、異例のものであった。この辞任届は東証にも受理されている。

 また、片岡非常勤監査役の後任に関しては、2013年2月14日時点では川田則人が取締役会にて選任されたが、その後株主総会直前に「健康上の理由により」辞退し、あわてて代替候補として村瀬忠男を選出する、と大きく混乱した。監査人については、2012年9月時点で、それまでの会計監査人であった霞が関監査法人が辞任し、現在は清和監査法人が監査を行っている。

 つまり、元々のリアルコムの役員で今も残っているのは常勤監査役の若杉氏のみである。が、若杉氏の周りにもきな臭い動きがあるのだ。若杉氏は、前述の調査委員会のメンバーとしてR氏、G氏に辞任勧告をしたにもかかわらず、他の調査委員会メンバーや片岡監査役と運命をともにせず、手のひらを返すようにR氏、G氏のご機嫌取りとなってしまった人物である。

 昨年末、その若杉氏及びその妻に対して脅迫状めいたものが届き、警察沙汰になっている。

 さかのぼって2012年秋には、リアルコムの本社オフィスに反社会勢力を想起されるチンピラ風の集団が木刀などを持って乱入し「R出てこい」「下で待っているぞ」と怒鳴り声をあげ、警察に通報をする事件まで起きている。

 R氏の「華麗な趣味」もグレーと言わざるを得ない。仕事柄、R氏は上海へ頻繁に出張をする。そこでの楽しみの一つが「処女買い」である。中国サイドのパートナーが適当な女性を見繕い、準備ができたら連絡がある。それを受けて出張のスケジュールを立てるのだ。当然その報酬として女性には金銭が支払われる。「非常に楽しいから、一緒に行きましょう」と言われた取引先のA氏は、絶句したという。

 R氏の「三方よし」には、従業員の幸せも入っているのだが、どれだけの従業員が幸せに働いているのだろうか。ここに、一昨年退社させられたある従業員が退社後書いたメールがある。簡単に紹介しておこう。

 「実は、最近、背中の腰のあたりがよく痛みます。急に始まって、それが2.3日も続くのです。それは、今までになく、異様な痛みでした。(中略)WWB在職時の健康診断書が見つかり、なんと、腎機能のクレアチニン値がBレベル、潜血ありでDレベルでした。家系には腎不全どことか、心臓病の方もいません。皆健康で、90歳まで生きていました。去年の12月から今年の4月までの5か月間、月の労働時間が350時間あり、残業と休日出勤続きでした(注:残業代は払われていない)。健康診断書にも、過重労働、ストレス、睡眠不足に要注意との内容もありました。在職中、R社長に体調悪いから休みますといって有給を使っても、のちに皆の前で延々と怒られました。また、貧血も何回も起き、午前中の休みをもらったのに、有給を使わしてもらえなく、無理やりその半日分を給与から引かれたり、R社長に相談に行っても、聞いてもらえなかったりなどなど、度々あったにもかかわらず、まったく聞き入れてもらえませんでした。 終いに、退職時、サインしたくないのに脅されて、退職後WWBと負債関係がない限り、如何なることでも告訴いたしません、といったような内容の契約にサインさせられました。(中略)体までを壊して、会社にも都合いいように使われ、必要ないからとポイ捨てられては、、悔しくてたまらないのです。」

 リアルコムがWWBと株式交換の交渉を行っていたとき、企業監査の一環でR氏は「現在進行中の訴訟案件はない」と明言していた。しかしながら実際にはWWBの顧問を名乗る人間が詐欺で訴えられていたのだ。本件に関しては、リアルコム関係者が、「この件が事前にわかっていたら、絶対に株式交換の契約書にサインしなかった」と明言している。

我々はどうすべきか

 こうしたリアルコムの苦難は、対岸の火事とはとても言えないのではないだろうか。

 尖閣諸島の件、首相の靖国神社参拝問題などの例をあげるまでもなく、中国人は非常に狡猾で情報操作に長け、「人を騙す事が賢く、騙される人間が悪い」、と信じきっている。それに対して今までのように日本的な「農耕的、和を持って尊しとす」るでは、当記事で述べてきた被害者になるだけではないだろうか?

 彼らはとても口がうまい。都合の悪い情報は徹底的に隠し、ごまかす。仮に自分に非があっても、攻撃される前に先に相手を「悪者」にしてしまい、うやむやにする。調子の良い事を行ってその場をなんとか凌いでしまう能力は天才的である。正に詐欺師に不可欠の能力である。ただ、彼らの行動を注意深く見ていると、その本性に気づく。ただ、我々日本人は相手を懐疑的に見る接し方に慣れていない。

 こうした状況に、東証、監査法人、証券会社等も未だ有効な手を打てていない。彼らはこのまま見て見ぬ振りをするのだろうか? それが我が国経済のためになるのであろうか?

 太陽光発電市場は、政府からの補助金制度もあり、この3年ほど他に見ないバブルを享受している。事業開始後3年で売上50億円を超えるような企業も珍しくない。その意味では、リアルコムの「ぼったくり商法」でも、あと1、2年? は食いつなげる事が出来るかもしれない。彼らの正否は、これまでのように「気前よく騙されて、黙って去っていってくれる取引先(犠牲者)」がどれだけの数、どれだけの期間に渡って見つけられるかにかかっている。

 中国では「黒い猫でも、白い猫でも、鼠を捕るのが良い猫だ」という格言がある。R氏、G氏のやり方を「普通の中国ビジネス」と見る見方もあるのかもしれない。

 ただ同時にリアルコムのやり方に、日本企業が日本スタイルで合わせると、大変な被害を被る事はこれまでの事実が雄弁に物語っている。彼らを日本企業と思ってはいけない。強欲中国企業と思ってつきあわなければ大変な事になる。

 本誌は「ごろつき中国人」などとレッテルを張るつもりはさらさらない。だが、コツコツ努力を積み重ねていく農耕型日本のビジネス社会が、嘘とはったりの狩猟型ビジネスマンによって荒らされる事だけは何としても防がないと、グローバル社会の名の下に日本型資本主義が汚染されてしまう事を何より危惧するものだ。

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