川柳・俳句7月号 「ひょうたんなまず」 選者・東嶋一刀齋
今月のお題 「趣味」「テーマ自由」
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【 天 】 東北の 空輝かす 青田風し (福島市)本間 夏生
- (東北大震災の原発事故で、福島の産物は今なお 風評被害に苦しんでいる。特に農家の方々の苦 悩は筆舌に尽くし難いものがあるだろうと思う)
【 地 】 真夏日や 扇子をあおぎ 人を待つ (横浜市) 高木 総司
- (このところの暑さは殺人的。その中で外で人を待 つのは大変だ。アナログの扇子が役に立つことを 実感する。待ち人は恋人か。ならば待つしかない)
【 人 】 浅草や 今日も祭りの 人出かな (東京都) 高塚 虎雄
- (学生時代に東京に住んでいる叔母に、浅草は毎 日祭りをやっているようなもんだと言われたこ とがある。外国人の観光客を混じえ、今もにぎ わいは変わらない)
【 佳 作 】 夏風や ハリセンでたたく コンパかな (宇都宮市) 長野 西海
- (ああ古き良きわが友よ)
アサガオの 蔓のびのびと 空仰ぐ (鎌倉市) 飯田 香織
- (アサガオの花は夏の風物詩)
寺町や 塀際の影 濃かりけり (東京都)橘 康太郎
- (影を慕うのは失恋したからではないぞ)
初恋や 林檎の青き 並木かな (青森市) 早坂 吉次
- (若いとは何事も誤解できること)
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【 天 】 会議して 決まらぬことが 決まりけり (東京都) 生あくび
- (会議ばかりして何を決めるのかと思えば、ただ 時間ばかりが過ぎてお開き。日本の会社の日常 風景である)
【 地 】 扇子にて センスを問われる 落語かな (東京都) 二つ目
- (落語家にとって、扇子は大事な商売道具だが、 その使い方はベテランと若手では雲泥の差があ る。お後がよろしいようで)
【 人 】 孫自慢 聞いている者の あくびかな (山形市) 聞き飽きた
- (年寄りの冷水は今や長い愚痴の話。それも病気 のことと孫自慢である。聞かされる方はたまっ たもんじゃない)
【 佳 作 】 上司とは 何もできない 丸投げ屋 (名古屋市) 部下の一言
- (口先だけは達者なんだよね)
スマホから 始まる恋も そりゃないぞ (福岡市) 今田独身
- (ないない。あるのは援助交際と詐欺)
ダイエット やるぞやるぞと 声ばかり (東京都) トライザップ
- (鏡とお腹を見て思うのは自由)
名刺わたし 仕事は終わり 新人くん (東京都)旧新人
- (かつては私もそうでした)
【応募要項】 来月のお題 「 お城 」あなたの俳句・川柳をお寄せ下さい。お題に添ったものでなくても結構です。自作未発表のものをはがき1枚に3句程度まで。住所・氏名(ペンネームの場合は本名も)・年齢・電話番号明記の上で、ご投句願います。投句は返却しません。二重投稿厳禁。天・地・人の句には薄謝ないし粗品を贈らせていただきます。締め切りは毎月末。 住所 〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3-7-16 報道ビル6F 「新政界往来」ひようたんなまず係まで。 |